今朝ツイッターを見ていたら、商品開発において非常に大切な事が書いてある記事を見つけました。
『リブランディングに3つの罠 オワコン商品復活に挑んだ老舗化粧品メーカー』
https://forbesjapan.com/articles/detail/32313
企業で商品開発を担当している方はもちろん、ハンドメイド商品で制作物を販売している人にも是非読んで頂きたい!
そして今日は、『商品開発の6つのコツ』を紹介します。
私は2007年に世界的に有名な現代芸術家のもとでマーチャンダイザーとして商品開発を担当していました。
彼の名前があればそれだけで飛ぶように売れる、相当なネームバリューを持っていた方でしたが、それに恥じない、徹底した拘り、納期が迫っていようと妥協しない業者泣かせな姿勢が結果、購入してくださる方の宝物となり、ここで私は商品開発をしていく者としての精神を学びました。
それを、ここでアウトプットしていきます。
この記事はこんな方におすすめ
- これからハンドメイド作家デビューを考えている人
- 自分のハンドメイドを売っているが、なかなか芽が伸びない人
- 正直、何を作っているのか分からなくなって来た人
- 費用対効果が低いと感じ始めた人
- 単なる趣味から仕事にしたい人
目次
商品開発のコツその①:誰に売るのかを考える
『誰に売るのか』つまり、ターゲットを決める、という事です。
例えば現代芸術家の商品であれば、美術館に来る人、ミュージアムショップに来る人、彼の作品が好きな人がメインターゲットとして挙げられます。
ミュージカルグッズであれば、そのミュージカルに来た人がメインターゲット、お土産物であれば観光客。
ではそれを更に深掘りしていきます。
- それは何歳くらい?
- 女性?男性?
- 大人?子供?
- その人は何を目的としてそこ(お店やイベント会場等)に来ているの?
- その人はどうなりたくてそこに来ているの?
これらを考えてみてください。
ここで注意したいのが『誰に何を売りたいのか』ではない、という事です。
あくまでも、購入者が手に取った時の気持ちの答えを探す、という作業をすることを心掛けましょう。
悩みから逆算する、という方法もあります。
例えば痩せたい人がどんな商品があったら喜ぶだろうか、などから逆算していく方法もよく使います。
仮にここで『30〜40代女性 既婚者 ママ世代 子供へのプレゼント 子供を喜ばせたい』という結果が出たとしましょう。
このような明確なターゲットが作れれば、最終的なターゲットは子供だと分かってきますよね。
ターゲットが子供なのに大人の商品を売っても売れるわけがない、キーワードが子供なのに大人向け商品ではヒットするわけがない、と理解できますよね。
しっかりとターゲットを見据えてください。
商品開発のコツその②:市場調査をする
今、そのようなターゲットにどのような商品が売れているのかを調べます。
市場調査は昔から企業が商品開発の際に必ず行なっていたことで、これを避けては通れません。
例えば某有名化粧品メーカーも、商品を販売する前にモニターを幅広い層集めて、今好きだなと思う色、これは使わないと思う色、、、など沢山のアンケートに答えさせて市場調査をしていました。
今求められているものを知る、という作業はモノづくりには欠かせないものです。
(自分が作った商品で流行を動かす、という力を持っている方は別)
ハンドメイドという枠を外れて、どのような商品が喜ばれているのかを市場に出たりネットなどで調査しまくりましょう。
キュート系、クール系、姫系、北欧系、原色系、暖色系、寒色系、などなど様々なジャンルから最近の流行りはこの辺りかな、と読み取ることができます。
海外での流行りにも敏感になると良いので、ピンタレストなどを駆使するのもおすすめです。
雑誌も子供から大人、女性男性に限らずとにかく全てのファッション情報誌に目を通します。
売れているものはマークし、良い部分を見習って勉強することも大切です。
『今の人たちは何を欲しているのかを知る』という作業が大切です。
商品開発のコツその③:買った人のその後の結果を考える
ターゲットが決まったら次に考えることはもう一つあり、それは『購入者がその商品を手にした後の結果を考える』です。
例えばトレーニングジムを想像してみてください。
トレーニングジムに可愛いキーホルダーが売っていても、可愛いと思うかもしれないけれど、購買意欲には繋がりませんよね。
それよりも、ジムで体を動かした後に飲める手軽なコールドプレスジュースや、自宅でトレーニング出来るような手軽なアイテムの方が心惹かれませんか?
ジムで使えるお洒落なウェアやスポーツタオル、ウォーターボトル、バッグなども良いですよね。
トレーニングジムに来ている人は、『体を鍛える』という目的を持って来ています。
その人に可愛いキーホルダーは『今は』必要ではありません。
その可愛いキーホルダーを見ても『今は』ワクワクしません。
逆に、家でこれでトレーニングしよう!次はこれを来てトレーニングしよう!と思えるアイテムを目の前にするとワクワクします。
これを使えばもっと効率的に体が引き締まるかも!次回までこれで練習したい!と思えるものがワクワクするのです。
そこに来る人が、それを見てワクワクするもの、そしてその結果、買ってよかった、と思えるものを見つけるのです。
今仕事で室内テーマパークのWebサイト制作を請け負っているのですが、現場で販売している商品が売れなくて困っている、と相談をされました。
ボルダリングや今流行りのパルクールなどを設置しているようなテーマパークなのに、販売しているものは可愛いTシャツやタオル。
これを聞いてどう思いますか?
私は彼らに、これをキッカケにボルダリング始めようかな、と思う人がまずはやってみようかな、と思えるような指トレアイテムや筋トレ系などのフィットネス系を揃えた方が良くないか?と助言しました。
きっとその室内テーマパークに来ると、「久しぶりに体を動かして気持ちよかった」という感想が飛び交うと思います。
そうなると、次に考えるのが「ちょっと体鍛えてみようかな」ではないでしょうか。
そこにちょっと体を鍛えられそうなアイテムが、ちょっと買ってみれるような値段で売っていたら、売れると思いませんか?
売りたいものを置く、ではなく、来た人が買いたいと思えるものを売ることが大切です。
商品開発のコツその④:ワクワク感を大切にする
購買意欲を引き出すには『ワクワク感』が必須です。
なんだか分からないけどワクワクするお店ってありませんか?
入った瞬間、わー、なんか良いもの売ってそう!と思えるような。
私は、中学生から電車通学をしており自由が丘、代官山、渋谷、下北沢で寄り道をしまくっていました。
これらの駅には必ず私の『ワクワク感』を刺激するお店が最低でも1つあり、その空間に行くのが好きでよく行ってはちょこちょこものを買っていました。
今でもその『ワクワク感』は忘れられず、ちょっとでもワクワクするともう止まらない状態になってしまいます。
そのような店、皆さんにもありませんか?
どんなものでワクワクしたのかを思い出して、自分が売る商品はどのようにしたらターゲット(購入者)にワクワクしてもらえるか、どのように工夫したらワクワクするかをしっかりと考えましょう。
手に入れられたら自分が変わるかも、もっと素敵になるかも、人に自慢出来るかも、などワクワクは理由をつけて彷彿されます。
そこに来た人が『どうしても手に入れたい!』と思えるものを是非作り出してください。
自分が作ったものを一生大切にしてもらえるような、宝物を作り出してください。
商品開発のコツその⑤:アートに触れる生活をして第六感を刺激する
東京近郊には面白そうなアートイベントが目白押しです。
関東近郊にお住いでしたら、是非美術館やミュージアムショップに頻繁に通ってみてください。
第六感を刺激し、自分の中のクリエイティブな部分を引き出す。
そのためには様々なアートイベントに参加して、ミュージアムショップを回って、芸術に触れるのも大切です。
このブログでは、全国のアートイベントもまとめています。
是非参考にして、距離的に行けそうなアートイベントに足を運んでみてください。
興味のない内容であっても、誰かが一心に作り上げたものを目の前にすると、これまで何も思わなかったジャンルに感動したりします。
人が妥協せず作り上げるものには魂が宿っていて、非常に刺激的です。
そして自分がなぜ感動したのか、まで考えてみてください。
商品開発のコツその⑥:手に取った商品の原価を考える癖をつける
雑貨屋等で販売しているものの原価を考える癖をつけてみてください。
この商品はこの細部にこだわっていて、材質にもこだわりがあるからこの値段よりいくら高い、ということは原価の差はいくらくらい、などまで考えられるようになれれば、自分の商品の値付けの際の参考になります。
ちょっと高い商品は、どこに付加価値を置いているのか、他と明らかに違う点はどこ、逆に安い商品はどこを工夫して安くしているのか、等、雑貨屋は原価計算の勉強の場になります。
メーカーの商品であれば原価は上代の何割、化粧品なら何割、などとある程度の決まりがありますが、ハンドメイドは材料費と自分の作業費になります。
安ければ売りやすいかもしれませんが、ちょっと値段を上げる方法を考えてみるとまた一歩、作品を成長させることができます。
ハンドメイドだからちょっとした雑さは許してね、ではなく、お客様にお金を出して購入していただく、という行為に敬意を示して、モノづくりに励みましょう!
最後にひとこと
当ブログではこのように、マーチャンダイザー時代に培ってきたノウハウを、お伝えしていきます。
是非いい作品を作って、たくさんの人を感動させましょう!
この記事のまとめ
- 『誰に何を売りたいのか』ではなく『ターゲットが求めているものを知る』
- 市場調査をして、求められていものを知る
- 買ってくださった方がそれを持って帰った後どのような喜びが待っているかを考える
- ワクワク感を大切にする
- アートに触れる生活をして第六感を刺激する
- 手に取った商品の原価を考える癖をつける