目次
本記事の参考文献はこちら!:『SDGsの基礎』
SDGsの基礎 単行本
横文字が沢山出てきて読み進めるのが大変でしたが、ある程度知識があれば楽に完読できます。
ちょっと難しいですが一度は読むべき本かと思いました!
SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書
そもそも『SDGs』のゴールとは?
SDGs17のゴールとは2030年までの国際社会共通の目標です。
そもそも?は前記事をご参照ください。
『SDGs』は環境問題と切っても切れない関係
『SDGs』について調べていくと、環境問題が密接していることに気がつくと思います。
というのも、『SDGs』17のゴールのうち、少なくとも13が直接的に環境に関連するものであり、残り4も間接的ではあるものの、環境に関連するものです。
下記『SDGs』17のゴールの詳細をご参照ください。
全てのSDGsは大なり小なり環境に関連していることが伺い知れます。
- 貧困の撲滅
- 飢餓撲滅、食料安全保障
- 健康・福祉
- 万人への質の高い教育、生涯学習
- ジェンダー平等
- 水・衛生の利用可能性
- エネルギーへのアクセス
- 包摂的で持続可能な経済成長、雇用
- 強靭なインフラ、工業化・イノベーション
- 国内と国家間の不平等の是正
- 持続可能な都市
- 持続可能な消費と生産
- 気候変動への対処
- 海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用
- 陸域生態系、森林管理、砂漠化への対処、生物多様性
- 平和で包摂的な社会の促進
- 実施手段の強化と持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップの活性化
※赤文字は少なくとも直接的に環境に関連している13のゴール
(引用:環境省『地球環境・国際環境協力』より)
つまり、環境問題解決無くしては『SDGs』は達成できないということですよね。
そこで環境省が日本独自の計画を発案したようです。それが次項で紹介する『第五次環境基本計画』です。
第五次環境基本計画について
前述から『SDGs』と環境との密接な関係が分かりました。
環境省は2018年4月に『第五次環境基本計画』を発表しています。
分野横断的な6つの「重点戦略」(経済、国土、地域、暮らし、技術、国際)を設定し、「地域循環共生圏」の創造、「世界の範となる日本」の確立、これらを通じた、持続可能な循環共生型の社会(「環境・生命文明社会」)の実現を目指すべき社会の姿とたのが、その『第五次環境基本計画』です。
『分野横断的』とは??
『SDGs』を勉強していると、よく『(専門)分野を越えて課題を解決する』的なことを耳にするんだけど、『分野横断的』というのはつまりそれだよね。『複数の分野をまたぐ』『縦割り社会ではない』ということなのかな。特に役所は縦割り社会だよね。ここは〇〇課の分野だから立ち入れない、とかよくある話だけど、分野横断的な戦略を示すことで、省をまたいで考えられるように環境省でもなったみたいよ。
なるほど!
第五次環境基本計画の基本的方向性:目指すべき社会の姿
- 「地域循環共生圏」の創造
各地域がその特性を生かした強みを発揮
→地域資源を活かし、自立・分散型の社会を形成
→地域の特性に応じて補完し、支え合う - 「世界の範となる日本」の確立
① 公害を克服した歴史
② 優れた環境技術
③「もったいない」など循環の精神や自然と共生する伝統
これらを有する我が国だからこそできることがある - これらを通じた、持続可能な循環共生型の社会(「環境・生命文明社会」)の実現
難しくてついていけなくなってきた💦
つまり、『身の回りのポテンシャルを開花させていく』という発想で、都市空間になく農山漁村にある自然エネルギーを都市空間に持って行くことで人とお金が地域に戻る、というような循環を考える必要がある。そして日本は海外の成功事例をケーススタディ的に取り入れることが得意であり、自動車産業のように世界のトップに返り咲く期待が抱ける。これらを縦割り社会の日本で縦割りで動かないようにみんなで共有しましょう、一緒にゴールを目指しましょう、ということで示された日本独自の方向性、ということではないかな。(参考文献:『SDGsビジネス戦略』)
なるほど、縦割り社会を打破するための日本独自の指示書、のようなものだね。
それを『6つの重点戦略』で示します、というのが以下だよ。
第五次環境基本計画:6つの重点戦略
①持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築
- ESG投資、 グリーンボンド等の普及・拡大
- 税制全体のグリーン化の推進
- サービサイジング、シェアリング・エコノミー
- 再エネ水素、水素サプライチェーン
- 都市鉱山の活用 等
②国土のストックとしての価値の向上
- 気候変動への適応も含めた強靱な社会づくり
- 生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)
- 森林環境税の活用も含めた森林整備・保全
- コンパクトシティ・小さな拠点+再エネ・省エネ
- マイクロプラを含めた海洋ごみ対策 等
③地域資源を活用した持続可能な地域づくり
- 地域における「人づくり」
- 地域における環境金融の拡大
- 地域資源・エネルギーを活かした収支改善
- 国立公園を軸とした地方創生
- 都市も関与した森・里・川・海の保全再生・利用
- 都市と農山漁村の共生・対流 等
④健康で心豊かな暮らしの実現
- 持続可能な消費行動への転換 (倫理的消費、COOL CHOICEなど)
- 食品ロスの削減、廃棄物の適正処理の推進
- 低炭素で健康な住まいの普及
- テレワークなど働き方改革+CO2・資源の削減
- 地方移住・二地域居住の推進+森・里・川・海の管理
- 良好な生活環境の保全 等
⑤持続可能性を支える技術の開発・普及
- 福島イノベーション・コースト構想→脱炭素化を牽引(再エネ由来水素、浮体式洋上風力等)
- 自動運転、ドローン等の活用による「物流革命」
- バイオマス由来の 化成品創出(セルロースナノファイバー等)
- AI等の活用による生産最適化 等
⑥国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築
- 環境インフラの輸出
- 適応プラットフォームを通じた適応支援
- 温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」シリーズ
- 「課題解決先進国」として海外における「持続可能な社会」の構築支援 等
具体的に何をすればいいのか分かりづらいね💦
『第五次環境基本計画』に参考資料が掲載されているので見てみよう!一般庶民の生活に直接的に関わってくるのが④健康で心豊かな暮らしの実現だよね。まず④を見てみると分かりやすいかもね!
6つの重点戦略:参考資料
重点戦略①:持続可能な生産と消費を実現するグリーンな経済システムの構築
- 持続可能な生産と消費のパターンを確保するため、経済社会システムのイノベーションを実現し、資源生産性や炭素生産性の向上を目指す。
- 再生可能エネルギーや省エネルギーは、地球温暖化対策の柱であると同時に、エネルギー安全保障や産業競争力の強化にも寄与。
- 金融・税制を活用して経済システムのグリーン化を進めていく。
ポイント
- 企業戦略における環境ビジネスの拡大・環境配慮の主流化
- 国内資源の最大限の活用による国際収支の改善・産業競争力の強化
- 金融を通じたグリーンな経済システムの構築
- グリーンな経済システムの基盤となる税制
エネルギーの低炭素化(CO2を排出しないエネルギー、たとえば再生可能エネルギーの導入量を拡大する 引用:経済産業省資源エネルギー庁)を意識したプロジェクトを考えるといいのかな。なんかこの本を思い出した!
『木のすきなケイトさん―砂漠を緑の町にかえたある女のひとのおはなし』
ここに木は育たないと言われていた土地に植樹をしていって国立公園になったという実話。
こういうことを考えて行けばいいのかな。
『木のすきなケイトさん―砂漠を緑の町にかえたある女のひとのおはなし』は、絶対に木は育たない、と言われていた砂漠がある女性の行動により、砂漠が緑地化された実話を元にした絵本だよね。これと通ずるところが多そうだよね!
重点戦略②:国土のストックとしての価値の向上
- 環境に配慮するとともに、経済・社会的な課題にも対応するような国土づくりを行う。
- 都市のコンパクト化やストックの適切な維持管理・有効活用による持続可能で魅力あるまちづくりを推進する。
- 自然環境が有する多様な機能を有効に活用した防災・減災力の強化等、環境インフラやグリーンインフラ等を活用し、強靱性(レジリエンス)を向上させる。
ポイント
- 自然との共生を軸とした国土の多様性の維持
- 持続可能で魅力あるまちづくり・地域づくり
- 環境インフラやグリーンインフラ等を活用したレジリエンスの向上
重点戦略③:地域資源を活用した持続可能な地域づくり
- 地域資源の質を向上させ、地域における自然資本、人工資本、人的資本を持続可能な形で最大限活用する。
- 循環資源や再生可能資源の活用により地域循環共生圏の主要な部分の形成に貢献する。
ポイント
- 地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用
- 地域の自然資源・観光資源の最大限の活用
- 都市と農山漁村の共生・対流と広域的なネットワークづくり
観光に配慮するというのはもちろん、グリーンツーリズムに力を入れたり孤立しない街づくりを意識するといいのかな。
重点戦略④:健康で心豊かな暮らしの実現
- ライフスタイルのイノベーションを創出し、環境にやさしく、健康で質の高いライフスタイル・ワークスタイルへの転換を図る。
- 森・里・川・海などの自然の価値を再認識し、人と自然、人と人のつながりを再構築する。
- 人々の健康と心豊かな暮らしを脅かす環境リスクを評価し、予防的取組を推進する。
ポイント
- 環境にやさしく健康で質の高い生活への転換
- 森・里・川・海とつながるライフスタイルの変革
- 安全・安心な暮らしの基盤となる良好な生活環境の保全
田舎に暮らしてるとこれが当たり前だけど都会生活ではなかなか意識が持てないものだよね。
そうだよね。だから旅行社は、こうした意識が持てるようになる体験型宿泊プランを売って、参加した人が自然に対する意識が変わるようなものであるといいよね。
うんうん。自然に感謝できるようになれると意識も変わるよね。そういう旅行を積み重ねて欲しいなぁ。
重点戦略⑤:持続可能性を支える技術の開発・普及
- 我が国の課題の解決にも資する環境技術の開発・普及を推進。
- 人工知能等のICTも活用しつつ、Society 5.0の実現を目指す。
- 課題解決先進国として、優れた環境技術で世界の環境問題の改善にも貢献。
ポイント
- 持続可能な社会の実現を支える最先端技術開発
- 生物・自然の摂理を応用する技術の開発
- 技術の早期の社会実装の推進
先日テレビで初めて知ったんだけど、『トリトンの矛』こそまさにこれじゃない?
そうだね!過去の漁業データを元にAIが漁場をヒットさせる、という技術を持って後継者問題を解決する、というところ、まさにこれだよね!
このアプリがあればベテラン職人の知恵と勘を若い人でも持てるってことだからね!これなら若い人もやってみたいと思えるよね!
これみたときは感動したよ!これからのWebサービスは『課題解決型』で考えないといけないな、と改めて思ったよ。
重点戦略⑥:国際貢献による我が国のリーダーシップの発揮と戦略的パートナーシップの構築
- 国際的なルール作りへの積極的関与・貢献と、途上国における持続可能な社会の構築を支援。
- 国内で実現した地域循環共生圏のモデルをパッケージとして世界に展開し、持続可能な地域づくりに貢献する。
ポイント
- 国際的なルール作りへの積極的関与・貢献
- 海外における持続可能な社会の構築支援
『SDGsビジネス戦略』に書いてあったけど、アミタホールディングス株式会社がやっていることはまさに『国内で実現した地域循環共生圏のモデルをパッケージとして世界に展開』にあてはまるね!
そうだね!アミタホールディングス株式会社は宮城県南三陸町で『BIOシステム』という住民主体の持続可能な町づくりに取り組んでいて、2014年には「南三陸町バイオマス産業都市構想」として国の認定も取得。その上で今後南太平洋のパラオ共和国でその事業を動かすことを計画しているみたいだからね!!まさに重点戦略⑥に当てはまるよね!!!(参考文献:『SDGsビジネス戦略』)
第五次環境基本計画の本質的なテーマ
『地域循環共生圏』という概念をみんなでやっていきましょうというのが第五次環境基本計画の本質的なテーマです。
大きな社会変動というゴールをみんなで共有しましょう。
先陣企業のプロトタイプを参考に、早い段階で企業の戦略に取り入れていきましょう!
SDGsのゴールと環境の深い関係/まとめ
難しいことはよく分からないけど、日本て優れた技術者が多いじゃない?その人たちが本気になって環境問題に立ち向かったら凄いものが出来そうなものだけどね。
そうだよね。それを多方面から考えられて正確に指示出来る人がいたらいいんだけどね。すでに動き出している企業が成功事例としてプロトタイプを表示し、それを参考に各企業がなぞって行く、という段階に早く入れればいいよね。
なるほどね。まだまだ難しいことだらけだけど、少しずつ勉強してすんなり入ってくる日が来るといいな!
うん、2021年は『SDGSに詳しい一般人』を目指そう!
本記事のまとめ
『SDGs』の17のゴールのうち13のゴールが直接的に環境に関連している
そこで環境省は2018年4月に『第五次環境基本計画』を発表
日本の強みを考え『6つの重点戦略』を設定
『SDGs』と環境は深い関係にあり、環境保全抜きには解決に届かない
まず環境に対しどのような影響を及ぼしているかを考える
そこに対する改善策を意識してみるところから始める
縦割り社会ではなく、ゴールをみんなで共有しましょう